嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

第63話:京都のクラブ(その2)

京都の住宅街地下にある高級クラブで楽しむ東門君と恭作


第59話で登場した鉄一商事の石井さんがブラジルに転勤になる事になった。大の仲良しだった東門君と恭作は直ちに送別会をした。1次会は比較的恭作の住んでいる地域近くの割烹で普通に楽しく飲んだのだが二次会に行こうと盛り上がり、とりあえずタクシーを呼んだ。タクシーの運転手さんに「そう言えばこの前祇園のクラブのホステスさんにこの辺りに高級クラブが出来たと聞いたんですけど、こんな住宅街には無いですよね?」と尋ねると「ありますよ、お連れしますよ」とあっさり。冒頭の昼間の写真を見てもタダのか雑居ビルにしか見えないが、看板をよく見ると地下一階にそれらしき文字がある。夜でもネオンは点かず更にわからない。タクシーを降りると地下に行く鉄製の外階段がありその前に小さなインターホンがあるだけだ。タクシーの運転手さんは「それ押せば良いから」と言い放って行ってしまった。恐る恐るインターホンのボタンを押すと「会員の方ですか?」との男声。「いやいや、初めてでタクシーの運転手さんに紹介されて来ました」と答えると階下から黒服がやって来た。その黒服はジロリとスーツ姿の我々を品定めして「どうぞ、こちらへ」と階下の店に案内された。

店の中はグランドピアノで生オケが出来る巨大な会員制のクラブだった。どう考えてもビルの大きさより広い。駐車場の下も店なのだろう。価格システムは思っていたよりリーズナブルで2013年当時で入場料1万円,ボトルキープ1万円から(1万円は焼酎赤兎馬),ある時間過ぎると延長料金有りという感じで近所の恭作はすぐさま入会手続きを済ませた。個人的にもその後何回か来たが半年後くらいに山王工場への帰任命令が出た。うーん、残念(>_<)