嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第19話:チェーン化大逆転劇~海外カーメーカー編3(北米-2)

世界初05Eチェーン動弁システム採用のキャデラック(ノーススター) サターン、ノーススターの量産化が決まり、設計面では仕様の煮詰め、製造面ではボリヨーク工場でのチェーンの製造現地化が準備に大忙しとなった。一方で日産のチェーン化も真っ盛りの時期で…

第18話:チェーン化大逆転劇~海外カーメーカー編2(北米-1)

1990年発売の初代サターン SAABの開発が一段落した1985~6年頃、いきなりUS橋元を通してアメリカGMのサターンプロジェクト(1900ccの当時北米で人気だったカローラやサニー(=セントラ)に対抗するクルマをエンジンから開発していこうという日本車迎撃のプロジェ…

第17話:度重なるV6エンジンの失敗とそこから生まれたテンショナ特許

マツダのチェーン回帰第一号プロシード 欧州プロジェクトであった独フォードV6失敗の件は前に書いたが、その後同じ理由で立て続けに2つのV6エンジンを失注している。その1つがマツダV6だ。1989年に発売されたユーノス500(1800cc V6という珍しいエンジン)用V…

第16話:B型女性と恭作

恭作が若い頃推しだったB型アイドル浅田美代子 ちょっと真面目な仕事の話が続いてしまったので、箸休めにプライベート系の裏話をしよう。年齢的に恭作とその周りの人間はバブル期からその少し後にかけて結婚している。その頃橋本知恵院山王工場の大卒系若手…

第15話:チェーン化大逆転劇~海外カーメーカー編1(欧州)

昭和の英会話教材セット 前にも書いた通り国内のチェーン化は日産が1984年頃から開発を始めたと思うが、海外メーカー(特に欧州)はベルト化しなかった所があり、そのうちの1つが恭作はじめての海外出張編で登場したSAABだ。1983年が初出張でそこから年に数回…

第14話:バブル時代と動弁機構チェーン化への大逆転劇

バブル期のお立ち台お姉さん バブル期のOLファッション バブル期は1985年頃から崩壊の始まった1991年頃までを言うらしいが、この頃同時に動弁機構再変革(ベルト→チェーン)の流れが水面下で急速に来ていた。恭作自身は1987年に結婚して仕事もその大変革の中枢…

第13話:橋本知恵院は急成長チャンス逃した?

サイレントチェーン使用のCB750F 二輪エンジンの動弁機構はちょうど恭作が入社した1978年頃一大変革していた。4輪の様にゴムベルトは使わなかったが、ブシュチェーンからサイレントチェーンに変わっていったのだ。恭作もバイクに乗っていたので肌と耳で感じ…

第12話:事業部暗黒時代からの大逆転神風-その5

日産チェーン化回帰第一号トラッドサニー1987モデル 初めての海外出張後から大きな変化が訪れた。その出張の為恭作は3~4ヶ月毎に欧州出張する事になったり(2回目からは1人で),一方で日産では1984年頃からベルト耐久性不安からチェーンに全てのエンジンを戻す…

第11話:事業部暗黒時代からの大逆転神風-その4:初めての海外出張3

トレビの泉 その次に訪問したのはイタリアのビレリー社(タイヤで有名だが当時は動弁機構用ベルトもやっていた)だがこちらは恭作の専門外で太門さんのカバン持ちに徹したので仕事の話は覚えていない。ビレリーのベルト工場のあるペスカラという漁村で仕事を終…

第10話:事業部暗黒時代からの大逆転神風-その3:初めての海外出張2

SAAB9000 無事スウェーデン入りした恭作はSAABの仕事に予想以上の成果(SAAB9000-2.3Lのバランサーシステムの話で訪問したのだが、既にSAAB900-2L用にiwisが納めていた動弁チェーンとテンショナの話までいただいた。これらはB202,B232,B234という名のPJで1980…

第9話:事業部暗黒時代からの大逆転神風-その2:初めての海外出張1

その頃サーブには欧州子会社橋本ヨーロッパ(一般残業系商社)を通して動弁機構用チェーンを単品納入していたのだが、その関係でSAAB9000用の新しいエンジンの開発依頼が来た。06Eを使った動弁機構なのだが2次バランサーシステムがついていて当時三菱の2000cc…

第8話:事業部暗黒時代からの大逆転神風-その1:欧州製品のベンチマーク

G67チェーン搭載の初期ベンツ190E(2.0L) 1980年代初頭鉄製動弁機構の国産エンジン開発がゼロになりその設計開発担当者も4人になってしまった事は以前のブログに書いたが、その他にも事業部はリストラと節約の嵐だった。リカバリー8と言う標語は今でも記憶に…

第7話:自由気ままな寮生活―その3:私をスキーに連れてって

恭作がスキーをやり出したのは大学時代からで、苗場の民宿に住み込みバイトした事もある位はまっていた。スキーの腕前には多少自信があったのだが会社の寮に入ってその自信は消し飛んだ。当時北海道や東北地方出身の寮生が多いことでスキーのレベルたはかな…

第6話:自由気ままな寮生活―その2:クルマ編

寮生のクルマに関するエピソードは数多くあり、品証の大御所関川君のN360、技術部の古株管沢君の真っ赤なFFファミリア正丸峠全損事故や韓国駐在していた良野君のマークⅡ顔振峠正面衝突事故(これは恭作が助手席に同乗しており良野君は悪く無かったが)などいく…

第5話:自由気ままな寮生活―その1:酒編

寮の部屋飲みの主役サントリーホワイト取手付き瓶 恭作が寮に入って初めにお世話になった先輩は治工具係のフライス職人だった吉打さんだ。この人は週末ロックンローラーでとにかく変わった人だったが気が合った。仕事でこの治工具係からはキンシ君といじられ…