嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

第25話:悲喜交々の北米駐在員生活-4

ストリップ小屋アンソニー



ボリヨーク、チコピー域は田舎だ。牧場も多いので日本で言えば北海道のそれも都市部で無い所と言った感じだ。11月から3月いっぱいの5ヶ月間は雪に閉ざされつまらないが、4~10月はゴルフ、BBQなどアウトドア天国だ。ただ、モールなどに買い物に出ても女性がオシャレしているのは滅多に見ない。Gパンか短パンでスカートなど穿いていなかった。そればかりか、そもそも日本で言えば肥満体型が主流で色気などゼロだった。その為3年間一回も帰国しなかった恭作はの赴任3年後の幹部職試験で日本に一次帰国した時はビックリした。何にかというと(1996年の事だが)女子高生を中心に流行していた信じられない程短いミニスカートとールーズソックス、それと茶髪の多さにだ。

色気と言えば前に少し触れたが、チコピーの外れにアンソニー(トニーの正式名)というストリップ小屋に駐在員を連れて行った時に感じる程度だった。確か入場料5$、瓶ビール1本1~2$、チップは1$単位と格安だったが、駐在後半は飽きてあまり行かなくなった。ある意味日本(特に東京の池袋辺り)はアメリカの田舎者にとってはアンソニー以上に刺激的だったかもしれない。

その直後に前述の様に村乃さんの急逝により本帰国になったのだが、帰ってくると慣れてしまいそうでもなかった。仕事上はやり残した事がいっぱいあったが、中でもチコピー工場への移転に携われなかった(準備段階は終了していて、場所も知ってはいたが)のが悔やまれる。そして帰国すると鬼の様なチェーン化の渦に巻き込まれて行った。