嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

#タイミングチェーン#カムチェーン

第75話: シャフラー買収劇(その2)-最終話-

最後の送別会でキス魔の呉松君と新人2年目の石坂さんと3ショット 2019年後半に入り買収の具体案は着々と進んでいた。しかし大きな障害がいくつかあった。 尾左会長が反対していた。理由はシャフラー本部のアホなトップと同じ。ちなみに大腹社長は賛成派、社…

第74話:シャフラー買収劇(その1)

シャフラー自動車ビジネス全体概要 橋本知恵院はエンジン用動弁システムでバルグワーナーとシェア1位2位を争っている。(どちらも自分が一位だと言っているが、第三者となった目で見るとどっちもどっちでカウントの仕方によって変わって来るくらい僅差だ)世界…

第73話: HWTCと山元哲さんと呉松君

HWTCの定宿ハンプトンイン外観とWakky達が大喜びしたジャグジー付の部屋 第37話で書いた年に2回あるHWTCだが、恭作が帰任してからもまた毎年参加していた。特に5〜6月に行われる上半期の部は毎年US橋本のチコピー工場で行われるのでUS出張して参加となる。そ…

第72話: 上海裏事情その2

GPのすぐ近くにあるクラブ818 このブログもプロローグの話題(シャンパンタワー)に戻り、そろそろ終わりが見えて来た。あと少し(数話)お付き合い頂きたい。(裏の裏ブログはまだ続けていきます。) 前話登場のカラオケクラブGPだが、鳥薗君もお気に入りの娘がい…

第71話:上海裏事情その1:壱川さんとの約束と上海総経理人事

鳥薗君お気に入りのGP(Garden Palace) 恭作が山王工場に帰任する直前に壱川元専務(この時は上級顧問)が個人的に送別会(と言っても2人だけ)をやってくれた。その酒席で懇願されたのはプロローグで書いたシャンパンタワーを注文した上海総経理の鳥薗君を精機事…

第70話:チェコ工場新設

チェコ工場建設前 奥に見えるのがトヨタの工場 プラハ市内 モルダウ川とプラハ城 コリン市長室の恭作(契約時) 前々から欧州に本格的製造拠点を大陸側で持ちたいと言う計画はあったが、リーマンショックやらその後の恭作の京棚部転勤などで話は進んでいなかっ…

第69話:天津自動車工場建設

天津自動車工場 2017年4年7月10月そして翌年4月の様子 恭作が自動車に戻った2014年4月に天津反対派の冨士原が自動車事業部からいなくなったのでいきなり天津自動車工場建設がスタートした。第57話でも少し触れたが、天津第一工場(一般産業用)は営業が予測し…

第68話:パワードライブの拡大とマグナ

マグナお気に入りの池袋の寿司屋 ポルシェカイエン,AudiQ7,VWトワレグの3兄弟 かなり後で聞いた話だが、冨士原が恭作を京棚部に追い出した頃、彼は利益が中々出ないパワードライブチェーンビジネスを辞めてしまいたかったらしい。しかし恭作はマグナとは契約…

第67話:自動車内組織改変

2014年に開業したUSJのハリーポッターエリア 山王工場に帰任すると確かに雰囲気が暗かった。元々事業部長や企画管理がいた本館3階事務所は雰囲気が明るくなかったが、更に輪をかけて暗くなっていた。「京棚部みたいにまたここからやり直しかよー」と思ったが…

第66話:I’ll be back‼︎

3年間単身生活した京都のマンション横の二重の塔 2014年が始まってすぐの事だった。尾左社長から呼び出され今度は山王工場に帰任せよとの事だった。ようやく関西にも、一般産業ビジネスにも、京棚部工場の人達にも馴染んできて‘さあ、これから本格的にやりた…

第64話: 焼結ブシュ内製化

ラムダチェーン 飲みに行って遊んでばかりいる話が続いて’何だよ、京棚部単身赴任って遊んでばかりじゃねーかよ’という声が聞こえてきそうなので、今回は真面目な仕事の話を書こう。 焼結金属のスプロケットやブシュ等の製造は元々山王工場でやっていた。4輪…

第61話: 月一飲み会

スタッフに背中を押され購入したレクサス 恭作が京棚部に赴任しての一年目は天津工場建設を初め目まぐるしく過ぎて超多忙だったが、2年目になってようやく落ち着いてきた。そこで当時の管理部長神谷君の発案で色々な部署と親睦会をやりましょうという事にな…

第60話:天津工場開業と派閥争い事件

天津第一工場 とりあえず天津工場が完成したのは2012年の夏近くで、恭作が1人で天津に乗り込んでから1年余りというスピードだった。その頃には日本人総経理も決定していて技術系及び人事系駐在員と工場長の山部君との日本人は4人体制でスタートした。現地人…

第59話:鉄一商事と鉄鋼材料メーカー

日新製鋼呉の高炉と京都NO.1料亭いく田 元々自動車事業部に材料購入担当部署が無く、恭作も動弁機構システム技術が本業だったので鉄鋼材料購入にはあまり関わっていなかった。業務として記憶にあるのは2007〜8年位のリーマンショックの少し前に数年前の様な…

第54話:天津進出

ヤンさんが東京で乗っていたベンツと今も健在らしい天津カラオケクラブ 赴任して1ヶ月後位に当時の社長の尾左さんから呼ばれ天津進出のミッションを課せられた。ここの事業部長を任命された主要な理由の1つは間違いなくこれだなと感じた。’既にコンベヤ事業…

第53話: 東日本大震災と関西単身赴任

単身赴任2ヶ月前に出場した人生2回目のフルマラソン 役員になって8年目の2011年4月、京都府の京棚部工場に単身赴任した。内容は一般産業事業部長兼工場長で断りようも無かった。(ブログとして役員になってからの8年間くらいの裏話はあまり書いていない。実本…

第52話:アジア進出(韓国編その2)

韓国現地納入を始めたシータエンジン搭載のソナタ USの現地生産は一般産業事業部がボリヨーク工場を買収済みだったし、タイの工場はトヨタをはじめとした日本企業が数多く進出していたアマタナコン工業団地の物件を買えば良かったのでそれぞれの現地進出は比…

第51話:アジア進出(韓国編その1)

2006年から量産納入が始まった現代自動車アバンテ(ガンマエンジン) アジア進出はタイ設立の2年後に上海設立という順序だったが、中国は2011年から検討が始まった一般産業事業部の天津工場設立話と一緒に書くつもりなので韓国設立の話を先に書くことにしよう。…

第50話:アジア進出(タイ編)

パタヤの〇〇系ストリート 話は一年遡るが第36話で触れた様に2002年に橋本タイが設立され、初代社長に小宮間さんが就任した。(ちょうどこの直後位に上海初代総経理の加東さんや二代目タイ社長の早史さんも自動車事業部に転籍して来た) 恭作はタイ設立時はま…

第49話: 恭作の入院と小宮崎さんとの和解、そして人生最大の驚き(その3)

橋本知恵院のタイミングチェーン搭載唯一のボンドカー トヨタ2000GT 予想以上に術後の経過が良く、もう一週間くらいは入院が続くだろうと思っていた5月の初め頃、主治医から明後日くらいに退院して良いよと言われた。もちろん嬉しかったがちょっと問題もあっ…

第47話:恭作の入院と小宮崎さんとの和解、そして人生最大の驚き(その1)

Daveと新谷君と恭作で泊まった温泉宿 話は2003年1月の事だったと思う。US橋本のDave Derbyが日本に出張に来ていて、その目的の一つである静岡のアルミダイキャストメーカー訪問の為にUS担当の新谷君と恭作と3人で出張した。その帰りにDaveのたってのお願いで…

第46話:ZZの伸び問題と福長社長

ロータスエリーゼ にも搭載されたZZエンジン 第28話や第33話に登場した記念すべきトヨタチェーン回帰第一号エンジンZZ(実際の発売は初代プリウス用NZの方がちょっと早いが開発経緯からするとZZが先)だが、発売数年後の2001年頃にチェーン伸びクレームの発生…

第45話:ディーゼルエンジンクレーム

BMWから供給されたiwisチェーン搭載の欧州トヨタディーゼル車 マツダ2.2Lディーゼルのバランサー駆動チェーンシステム ディーゼルエンジンとチェーンの相性は良く無い。恭作が経験した量産エンジンのトラブルだけでも起亜バランサーシステム、日産YDタイミン…

第44話:ティーノハイブリッド

日産ティーノハイブリッド ハイブリッドカーと言えばプリウスだがその初代が発売されたのは1997年だ。その頃まだゴーン氏(ルノー)に支配されていなかった日産(技術的に健全だった)は急遽プリウスをベンチマークして当時人気車だったティーノに載せようと計画…

第43話:Iwisとの協業(その3) IF

iwisが受注したキャデラックCT6と橋本も一部受注しているHFV6搭載のカマロ 今回は協業がもし続いていたらというフィクションのストーリーを書いてみよう。(あれ?これ元々フィクションじゃ無いのかよ!?というツッコミが聞こえてきますがそこはご容赦を) そ…

第42話:Iwisとの協業(その2)

Girgさんに乗せてもらったベンツSクラスV8ディーゼルターボ Iwisの思い出と言えばToddyさんだ。彼は橋本知恵院に対するiwis側窓口役だったのでドイツ(ミュンヘン)では色々と世話になった。基本的にビールとソーセージ以外は美味しい物がないというイメージの…

第41話:Iwisとの協業(その1)

欧州でシステム納入していたジャガーXJ V8 欧州でサイレントチェーンを自動車エンジンに採用したのはおそらく前話で書いたジャガーV8が初めてではないかと思う。橋本知恵院も後で参入したAUDI/VWのEA888の初期発売(バルグワーナー製チェーン)が2008年頃なの…

第40話: ジャガー受注と欧州攻略

欧州出張のついでに行ったスイス登山鉄道 日米の動弁機構への使用率はチェーンの大勝が決定的になった2000年前後だが、欧州は高級ブランド(ベンツ,BMW,サーブ等)以外はまだベルトが主流だった。これは欧州ではクルマを長く乗り続ける=十万km以上はあたりまえ…

第39話:トランスファーケースチェーン(パワードライブチェーン)その2

米軍横田基地とホットライン電話器 第29話で書いた様に1997年頃関西技術のドンこと兼平さんが埼玉に単身赴任してきたのだが、それはパワードライブチェーンの開発を強化するというミッションだった。しかし第28話で書いた様にあまりに酷い組織だったのを見る…

第38話:トランスファーケースチェーン(パワードライブチェーン)その1

幻となったオートマ用プライマリーチェーン どういう経緯でパワードライブ(いわゆる車軸の動力に関するチェーン)をやることになったかは恭作の担当外だったので定かではないが、CVT用のチェーンをやろうとした事は覚えている。日産やスバル辺りをターゲット…