嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

第26話:Richとバイクとマッスルカー

ダッジチャレンジャーとハーレーVR1000

恭介より3~4歳若いRichだが数年前に完全リタイアしている。そのRichから恭介のある送別会にビデオレターが届いた。それによると元々趣味だったバイク(30年位し前に手に入れたドカティ750F1はまだ乗ってるとの事)に加えてマッスルカーによるドラッグレース(0→400mのタイムを競うやつ)も楽しんでいるらしい。そのマッスルカーとは引退の数年前に手に入れたダッジチャレンジャー(写真と同型)で恭作も運転させてもらった事があり、OHV6000cc超えのV8エンジン搭載で馬力も600か700位だとその時に聞いた。

仕事関連に話がなってしまうが、ダッジ(クライスラー)はどうだか忘れたがGMのV8OHVのタイミングチェーンはUS橋本製06Eクラスだ。アメリカでは3LクラスV6はDOHC化したものの4L越えのV8エンジンはOHVに落ち着いてしまった。(このブログでも紹介したノーススター4.6LV8も廃版となった)要するにDOHCの本来の目的である高回転域(6000rpm以上)はそんな大排気量エンジンでは使われないし、今のDOHCのメリットでもある吸排気別VVTも必要無いという事なのだろう。商売的には動弁チェーンシステムの売上はDOHCに比べてOHVは桁違いに安くなってしまうのだが。

DOHCとOHVと言えば、話は恭作がアメリカ赴任した1993年頃に戻るが、あのハーレーがDOHCエンジンを開発していた事がある。(一般市販ハーレーはOHV)その時ハーレーからその動弁機構のチェーンシステム開発依頼がUS橋本に来て、教育も兼ねて恭作の指導の元Richがその設計を行った。Richと2人でミルウォーキーのハーレー本部にも行ったりもして最終的にVR1000というレース用主体のバイクで限定生産として立ち上がった。チェーンは05Eだったと記憶している。商売としてはあまり貢献しなかったプロジェクトだったが仕事としては面白かったし良い思い出だ。