嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

第43話:Iwisとの協業(その3) IF

iwisが受注したキャデラックCT6と橋本も一部受注しているHFV6搭載のカマロ

今回は協業がもし続いていたらというフィクションのストーリーを書いてみよう。(あれ?これ元々フィクションじゃ無いのかよ!?というツッコミが聞こえてきますがそこはご容赦を)

その後のIwisの現実は日本とアメリカと中国で失敗(日本はマツダで一部、アメリカも1エンジンしか受注できずしかもそのせっかく受注した新V6エンジンがキャデラック1車種:写真参照:にしか使われず商売にならずGMと補償問題で揉めた),韓国のディーゼルエンジンは全て受注して成功したもののその後ベルト化に、本拠地欧州は例のディーゼルエンジン問題で急速なシェアダウンでiwis自動車事業は斜陽化している。一方で橋本知恵院の現状は欧州のみうまくいかず(ルノーからは市場クレーム問題で数億円の解決金を払わされたし、最終的にルノーは続いているも苦戦、プジョーは立ち上がったものの本格化していないし、そのインド現地化も課題)、シャフラー買収話もあったがコロナで不成立:この話は相当後のブログで公開予定:でバルグと世界シェア一位を争っている。ここからがIFの世界だ。

【iwis新社長は父とGirgさんの方針を引き継ぎ、自動車事業のトップをToddyさんにした。恭作とToddyさんはマーケティングと製造の協業戦略を練り次よの様な分担にした。マーケティングでは欧州が本拠地のメーカーはiwis,日本を含むアジアと北米Big3は橋本知恵院が主導権(T1)を持った。製造面では欧州はiwis,既に製造拠点のある日本、韓国、中国、タイ、北米は橋本知恵院が担った。そうする事によって人,金,モノの二社での投資を最小限に出来た。

欧州メーカーはiwisがT1になるのでルノープロジェクトはチェーン部品とテンショナーが日本及びアメリカから送りiwis工場でのKD生産やパススルー納入したし、ベンツの小排気量シリーズはiwisの営業力と橋本知恵院のサイレントチェーン技術で受注出来てテンショナーとチェーンピンは橋本知恵院がルノーと同様にT2納入、日系は橋本知恵院がT1なので欧州は橋本UK生産とIwisのOEM生産という形になった。ルノーとのトラブルもiwisがT1だったのでコミュニケーションが良く取れて問題にならずに済んだ。橋本知恵院の欧州製造拠点はUKだけで十分となりチェコ進出はやめた。

米国ではiwisが撤退したので橋本知恵院とバルグワーナーの一騎打ちになり新V6エンジンを橋本知恵院が受注し、その新V6エンジンが少量だった見返りに旧型V6のHFV6も全受注できた。現代自動車ディーゼルエンジンはiwisが受注済みだったので日本と橋本韓国での委託生産(OEM生産)となった。

これらにより橋本知恵院、iwis共に人,金,モノの投資が大幅に節減でき、共同世界シェアは55%以上の独占となり且つ高利益確保の企業となった。さらに2021年にはシャフラーのタイミングチェーン(旧リノルド)ビジネスの買収に成功して世界シェアを70%近くまで増やしていった。従業員レベルでは両社とも高収入というメリットが有り、グローバル連携による海外勤務の増加(アメリカ、アジアは勿論、Iwisの本拠地ドイツや買収したシャフラーのフランス工場等)で人的魅力としても人気のある企業となった。ついでに言うとプジョーのインドでのプジョー現地化生産はiwisの管轄となり橋本知恵院はやらずに済んだ。】

と、ここまでがIFの話。Iwis新経営陣の判断ミスで1番損をしたのがiwis自身で自業自得だが、1番得をしたのがバルグワーナーだろう。シャフラーは2010年前後にリノルドからタイミングチェーン工場を買って10年余りで売ってしまったので得はしなかったのだろう。1番の被害者はiwisや旧リノルドの従業員だろう。経営者の判断はとても大事だと改めて考えさせられる。