嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

第49話: 恭作の入院と小宮崎さんとの和解、そして人生最大の驚き(その3)

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予想以上に術後の経過が良く、もう一週間くらいは入院が続くだろうと思っていた5月の初め頃、主治医から明後日くらいに退院して良いよと言われた。もちろん嬉しかったがちょっと問題もあった。実は2、3日前に福長社長からメールが入り埼玉出張のついでにお見舞いに来てくれるという内容だった。何か話もあるらしい。しかしその日が退院後(2日あと)になってしまった。まあ、術後のチェックの為の通院も必要だから良いかと思っておそのままにした。それよりも話って何だ⁇⁇ 色々考えたが、「社長のスパイになって下々の様子を報告しなさい」位しか思いつかなかった。大企業の社長ともなると各事業所にスパイを配置するんだななどと呑気に感心していた。

退院の二日後、約束通りの時間に病院の食堂で待っていると福長社長が1人で現れた。一通りよもやま話を終えた後社長から’6月末頃は普通に歩ける様になっているか?’と聞かれ’はい、その位後ならゴルフもできる様になっていると思います’と答えた。社長はすかさず’君を取締役に任命しようと思っているんだが、株主総会の入場が歩いて入って来なくちゃならないのでどうかなと思うとったんや’と言ってきた。

恭作の頭の中は真っ白になり、これは現実か?何が起きているんだ?しばし呆然としていたらしい。何とか気を取り直して’私まだ47歳でM3になって3年目でM4にもなっていませんよ。何か勘違いされてませんか?’と返した。社長曰わく’そういうのも面白いじゃないか’と平然としていた。そして’人間が本当にビックリするとそういう顔をするんだ。初めて見たわ(^^)’と大笑いしていた。’発表は10日後位だからそれまでは家族以外には秘密にしておけよ。こんな人事過去に無かったから大騒ぎになってしまうからな。今この人事を知っているのは秘書など数人しかいない。今日私と会った事も秘密だ’とも言われた。その後少なくとも発表の日までの事は恭作の記憶に無い。