嶋恭作の裏45年史

この話はフィクションであり登場人物とエピソードは全て架空のものです

第65話:野良猫と大阪マラソン

仲良しだった野良猫ちゃん達と大阪マラソン

話は少し遡るが50歳でC型肝炎の治療の為47歳の時に次いでまた1ヶ月弱入院した。退院後もインターフェロン投与の副作用の為トータル半年間禁酒と激しい運動が出来なかった。ゴルフもラウンドはしてなかった。その運動不足の反動で51歳でハーフマラソンに挑戦、54歳でフルマラソンに初挑戦して55歳の時も2度目のフルマラソンを走った。(第53話の写真)

その習慣で京棚部に単身赴任してもほぼ毎朝数kmのジョギングをしていた。元々猫好きの恭作はジョギングコースで野良猫ちゃん達をナンパしてすぐ仲良くなった。この野良猫ちゃん達に朝御飯をあげなきゃというモチベーションでこのあ毎朝のジョギングは単身赴任中の3年間、二日酔いと関東に帰った時以外はほぼて続ける事ができた。

この野良猫ちゃん達の巣は鴨川沿いの空き地だ。ここに毎朝ジョギングに来るのだが色々な人間模様が見られて面白かった。例えば猫への餌やりおばさん。このおばさんは住んでいるマンションのそばでも見た事のある人で、乳母車に餌を積んでかなり広範囲を散歩しながら餌やりをしている様だ。恭作のジョギング時間と微妙にずれているのでほとんど遭遇しないが一度話をした事がある。そのおばさんによると夕方来るおばさんもいて、恭作も合わせると3人が餌やりしている事になる。

別の日にはねぐらを探している浮浪者風のおばさんにも遭遇した。このおばさんにも話を聞いたが、生活保護を受けているらしくその関係で目立たないねぐらを探しているとの事。

ここは餌やりの人がしょっちゅう来ますよと言ったらどこかに行ってしまった。

また、ある日結構なついてくれているメスの白猫が突然怪我をしてビッコをひいていた。心配した恭作には抱っこしたついでにバッグに拉致して動物病院が開くのを待って連れていった。診察券を作らなきゃいけなかったのでとりあえず嶋シロという名前にした。結果は大した事無く、元のねぐらに戻し一週間くらいで治った。あれからもう10年近く経つのだが、野良猫の平均寿命は4〜5年と聞く。あの子達はもうこの世にはいないのだろうが、生まれ変わって幸せな飼い猫になっていて欲しい。

そんな中、競争率がかなり高い大阪マラソンの抽選に当たったので当然出場した。添付の写真を見ると4時間56分台でゴールしているので、スタートできるまでの6〜7分を引くと4時間50分弱くらいのタイムで自己ベストだった。野良猫ちゃん達に感謝だ。しかしこのマラソンで膝を疲労骨折してしまい(それを知ったのは一年近く後転んで整形外科でレントゲンを撮った時だ。もちろん自然治癒していたのだが)その後マラソンはハーフですら走っていない。

お知らせ:次回から山王工場編に戻ります。また第53話で予告した嶋恭作の裏の裏シリーズ限定公開開始!